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まえがき
人生の終末を迎えるに当り私の壱生
人生とは何であったか、
衣、食、住、恋、金、美立身、出世、等色々な事があった中で
特に心の奥底に残っていることを、年と共に忘れ去らないうちに
善しにつけ悪しきにつけ記録に残し生きていた証としたい。
年数がたつにつれ過去が美化され或いは現実と過去が混同され、
全てが懐かしくバラ色に映り苦しかったことも、憎んだことも遠くに輝いている。
元山に生まれ小学生、中学四年、予科練、飛練、教育隊、実戦配備、戦闘、等
終戦までの二年間余り誰もが経験しないことを経験し、戦後したこともない
農業、酪農、開拓、と生きる為食うために、又子供にこのつらい思いをさせたくないと
初体験の連続であった。
然しそれももうおしまい、子供達も一人前となり、夫々の人生をあゆみだした時、
親は夫婦が元気でおれば幸いだと思う。
私だけの事を言えば中学までは本当におぼっちゃまであった、
重いものといえば箸位い。小遣いは必要なだけ。
それが予科練に入ったとたんに軍人精神注入棒・バッタなるもので叩かれ
一膳飯に多い少ないと、目をひからせ『人の嫌がる軍隊へ志願でくる様な馬鹿もいる』と
人間扱いはされづ鍛えられ 実戦では三泊二日の水泳をさせられ、戦後は苦しかったり、
楽しかったり笑いであったり汗、涙であった・それらを順不同のまま記してみたい。
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